自律神経失調症・うつの具体的な症状と対策 顎関節症
顎関節は頭蓋骨と関節をなしているため、顎関節のゆがみが噛む力によって、頭蓋骨に伝達されて、頭蓋骨までゆがませてしまう可能性があります。
自律神経失調症やうつの方に顎関節症が多いのはこのためです。
自分で出来る「顎関節症」テスト
顎関節症の疑いがあるあなた。
まずは、顎関節症の簡単なチェックをしましょう。
- 鏡を見ながら、顎を大きくゆっくり開けてからゆっくり閉じてください。そのときに顎が左右に揺れている。
- 顎を大きく開けたとき、左右で開けにくい方の顎がある。
- 顎を開けたり閉じたりする時にカチッとクリック音がする。
- 鏡の前で、大きく下を出してください。舌はまっすぐ出ていますか?舌が少しでもカーブして出ていると、顎関節を支えている筋肉にゆがみがある可能性があります。
- 顔を見て、左右の眼のラインと口角のラインが並行ではない。
- 口を開閉するとき顎に痛みを感じる。(痛みがある時点で顎関節症の疑いが高いです。)
どうでしたか?
顎関節症は、気付きにくく慢性化しやすいですから、上のテストで一つでも当てはまるのでしたら、早めに専門家にご相談下さい。特に痛みのある場合はお早めに。
顎関節症のままだと...
さて、顎関節症テストをしてみて、「私も顎関節症かな?」と思った方もいるかと思います。そこで、そのままにしておくとどうなるのかをお伝えします。
顎関節症の症状は体全体に色々と出てきます。例えば、肩こり・首のこり・めまい・耳鳴り・頭痛・吐き気・不眠症・視野狭窄・内臓機能低下・自律神経失調症やうつなどに発展していくことが多いです。
顎が噛む力は、人体の中で一番強いといわれています。顎関節は頭蓋骨と関節をなしているため、顎関節のゆがみが噛む力によって、頭蓋骨に伝達されて、頭蓋骨までゆがませてしまう可能性があるのですね。
自律神経失調症やうつの方に顎関節症が多いのはこのためです。
顎関節症の対策
顎関節症は、顎の左右を同じように使っていないことが原因です。
食事の時には必ず左右の歯で同時に噛むようにしてください。また、顎は首と連動して動いています。その証拠に、顔を上に向けて顎を開けてみてください。開けやすいですよね。逆に今度は下を向いて顎を開けてみてください。今度は顎が開けにくいと思います。
このように、顎は首と連動して動いているんですね。ですから、テレビを見ながら食事をする時など、テレビが右にあると首が右にねじれたまま顎を使うので、あごも首も両方ねじれてしまうのです。
テレビを見ながらの食事はお行儀が悪いし、顎にも首にも悪いし、家族の団欒が出来なくなるので控えましょう。笑
どうしても食事中にテレビを見たい人は、テレビに向かってまっすぐ向いて食べられるように、イスからテレビの方に向けてくださいね。
首の動きと顎の関係
参考 咬合整体療法の基礎 エンタプライズ
上記のとおり、首の筋肉や骨のゆがみと顎関節症は深い関係があります。 そして首は自律神経失調症とも関係が深いのです。
顎関節症の原因
顎関節症の原因として、かみ合わせの悪さや、片方の顎だけで噛む「片噛み」などで、顎関節にゆがみの力がかかる場合があります。
他にも首の筋肉の緊張などが原因にもなります。「首の動きと顎関節の関係」お伝えしたように首のゆがみと顎関節症は深い関係があります。そのため、肩こりや首のこりが原因となる場合もあります。
更ににストレスや緊張で、顎を噛み締める癖も原因になります。
また、関節円板のずれ・骨盤のゆがみ・背骨のゆがみ等も顎に関係しています。
顎関節症の原因をまとめてみると...
- 下顎骨(顎の骨)の位置がずれる。
- 噛み合せが悪い。
- 咀嚼筋(噛む筋肉)のバランスの悪さ。
- 関節包や靭帯にバランスの悪さ。
- 関節円盤がずれ。
- 関節が変形。
- 骨盤や背骨など、姿勢や体のゆがみ。
顎関節症は、上記の7つの面から考える必要があります。
顎関節症の原因は、一つの場合もあるし二つ以上の場合もあります。
悪くなればなるほど、上記の原因がいくつもある場合が多いです。
自分で出来る顎関節症の体操
顎関節症はほっといても治らないことが多いです。そこで自分でできる顎関節症の改善法をお伝えします。
注意点として、痛いことは飛ばして、やらないようにしてください。
まずは開けられるだけ顎を開けます。 そのまま、15秒間保持します。 |
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次に顎を前に出します。 (猪木のものまねみたいに。笑) そのまま10秒間保持します。 |
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次は顎を後ろに引っ込めます。 やりにくいですが、そのまま10秒間保持します。 |
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次に顎を右にずらします。 これも10秒間保持します。 |
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最後に顎を左にずらして、10秒保持します。 |
1~5までを3セット繰り返します。
それを3セットを一日1~3回行いましょう。
いい顎関節症の矯正、悪い顎関節症の矯正
いい顎関節症の矯正は、下記の6つの原因を考えて行うことです。
- 下顎の位置を考え、
- 噛みあわせを考え、
- 咀嚼筋(そしゃくきん)を考え、
- 関節包や靭帯を考え、
- 関節円板を考え、
- 関節の変形性を考え、
- 骨盤や背骨など、姿勢や体のゆがみにより、顎関節症になる場合を考えなくてはいけません。
顎関節症の矯正は、一度にコレだけのことを考えなければならないのです。
だから顎関節症の矯正は、難しいのです。
悪い顎関節症の矯正は、これらの一つか二つしか考えないで行うことです。
一時、「下顎骨は前下方にずれる修正があるため、後上方に矯正すればいい」といことが流行りました。
しかしこれは1の下顎骨の位置のことしか考えていないため、もし、あなたの顎関節症が関節円板の位置のずれによるものであったら、後上方に矯正しても治らないということです。
治らないだけならいいのですが、関節円板が下顎骨と側頭骨の間に変な状態で挟まれると、顎関節症がひどくなる場合があります。
疑問に思う場合は、担当の先生に色々と聞いてみることをおすすめします。
顎関節症と自律神経失調症・うつ
顎関節症と自律神経失調症やうつには深い関係があります。先ほどもお伝えしましたが、顎関節がゆがむと頭蓋骨にゆがみの力が伝達されます。逆に頭蓋骨がゆがむと、顎にゆがみが出てきてしまいます。頭蓋骨にゆがみがあると、自律神経失調症やうつになりやすいと思われます。
自律神経失調症やうつの方は顎の使い方に気を付けてください。 詳しくは上記の「顎関節症の対策」をご覧下さい。
また顎関節症の方は、生活が乱れてくるとそうではない方より、自律神経失調症やうつになりやすくなると思ってください。
「虫歯ではない歯の痛み」と顎関節症
まれに「歯が痛くて、歯医者さんに行ったけど虫歯はないと言われた」という方がいらっしゃいます。これは顎関節症により、神経が誤操作を起こし虫歯のような痛みを感じてしまっているだけなので虫歯ではありません。
歯が痛い場合は虫歯の可能性が一番多いのでまずは歯医者さんに行って下さい。しかし歯医者さんで虫歯ではないといわれたら、顎に問題がある場合が多いです。
原因としては、三叉神経の下顎神経と言う神経の枝である「下歯槽神経」という神経が、口腔内にある筋などに締め付けられたり、顎関節症により下歯槽神経に行っている血管が締め付けられることが考えられます。まれに顎関節症でなくてもなる人がいます。
顎関節症の専門家の方への情報
顎関節の解剖・顎関節症の矯正法の注意
あなたが顎関節症の専門家(もしくは専門家を目指す方)でしたら、顎関節の解剖や機能に関して詳しくお話しましょう。
一般の方は顎関節に関する専門用語が出てくるために、少し難しいかもしれませんので飛ばして読んでいただいても構いません。
顎関節は、側頭骨と下顎骨でなる関節です。下顎骨は頭蓋骨にぶら下がっているように位置しており、しかも関節円板が存在するので、変位を起しやすい関節です。しかも顎関節は3軸です。そんな関節面が左右に一つずつあるのでけっこう複雑な動きが出来てしまうのです。
そのために、ある程度のゆがみは代償してしまうので、患者さん本人は顎関節症に気付かずに頭痛や肩こりを感じてたりもします。
顎関節に関係する主な筋は...
側頭筋・咬筋・内側翼突筋・外側翼突筋・オトガイ舌筋・オトガイ舌骨筋・舌骨舌筋・茎突舌筋・顎舌骨筋・顎二腹筋・頬筋・広頚筋・など、こんなにたくさんの筋肉が顎関節には関係するのです。さらに翼突下顎縫線なども関係してきます。
これらの筋肉のゆがみを考えつつ、関節円板や関節包などの状態、さらに骨盤や頭蓋骨のこと、更に姿勢のことも考えなければならないのです。そのため顎関節は複雑な関節なのです。それらを理解できていないと、顎関節の矯正は治らないだけでなく、逆に悪くしてしまう場合が多いので気を付けてください。
顎関節症でお困りの方は、顎関節症に詳しい整体院「健療院グループ」までご相談ください。